← もどる
トレンド

昔の曲・動画がまた流行るのはなぜ?10代の「時間軸が溶ける」現象とリバイバルの仕組み

14年前の曲「夜の踊り子」、11年前の動画から生まれた「ワホー」。昔の曲や動画が10代の間でもう一度流行る「時間軸が溶ける」現象を、起きる仕組みと企業が活かすときの考え方から解説します。

新曲でもないのに、いちばん好きな曲

2026年の10代の調査を見ると、ふしぎなことが起きています。新しく出た曲や動画だけでなく、10年以上前の作品が、いま流行っているものとして上位に入っているのです。

  • 夜の踊り子:サカナクションの14年前の曲。JC・JK流行語大賞2026上半期のコンテンツ部門4位。渋谷トレンドリサーチ(高校生男女200人)では好きな曲1位(13.3%)、流行っているポーズでも1位
  • ワホー:11年前のYouTube動画から生まれた言葉。JC・JK流行語大賞2026上半期のコトバ部門1位

若者向けマーケティング会社Reaplusの上半期の総括では、こうした流れを「時間軸が溶けている」と表現しています。昔のものと今のものが、同じ「いま」の中に並んでいる状態です。

リバイバルが起きる仕組み

なぜ昔の曲や動画が、もう一度流行るのでしょうか。理由はひとつではありませんが、次のような仕組みが重なっていると考えられます。

  • おすすめ表示は「新しさ」より「反応」で選ぶ:ショート動画のおすすめは、いつ作られたかより、見た人がどれだけ反応したかで広がりやすいと言われます
  • 音源として切り取られる:曲の一部分が、ダンスやネタ動画のBGMとして使われ、もとの曲を知らない人にも届く
  • まねできる「型」がある:ポーズや決めぜりふなど、自分もやってみたくなる部分がある
  • 10代にとっては初めて見るもの:大人には「なつかしい」ものでも、10代には新作と同じように新鮮

夜の踊り子が「好きな曲」と「流行っているポーズ」の両方で1位になったのは、この仕組みがわかりやすく表れた例です。曲を聴くだけでなく、ポーズをまねして投稿するところまでが、ひとつの流行になっています。

平成レトロとのちがい

似た話に「平成レトロ」があります。こちらはシール帳やたまごっちのように、デザインやモノとしての「昔っぽさ」を楽しむ流行です。

一方で、曲や動画のリバイバルは、昔っぽさを楽しんでいるとはかぎりません。10代の多くは、それが何年前のものかを気にせず、「いまSNSで流れてきた、おもしろいもの」として受け取っています。古さが売りなのではなく、古さが気にされていない。ここが大きなちがいです。

企業にとっての意味:自社の「昔の資産」を見直す

時間軸が溶けているということは、企業にとっては「昔つくったものが、もう一度見つけてもらえるかもしれない」ということです。たとえば、次のようなものが見直しの対象になります。

  • 過去のCMソングやジングル
  • 昔の商品パッケージやキャラクター
  • 以前のキャンペーンで使ったフレーズや振り付け
  • 長く売っている定番商品の、昔のエピソード

チェックしたいのは、「いまの10代がまねしたくなる部分があるか」です。短く切り取れる音、まねできる動き、言いたくなる一言がある素材は、もう一度広がる可能性があります。

社内で素材を見直すときは、次の3つの質問で整理すると話が早くなります。

  • 15秒以内で切り取ったとき、それだけで伝わるか
  • 知らない人が見ても、まねしたくなる動きやセリフがあるか
  • 今の10代の日常(学校・友だち・推し)に置きかえて使えるか

3つとも「はい」と言える素材は多くありません。だからこそ、ひとつ見つかれば強い武器になります。

仕掛けるときの注意

リバイバルは、企業が「流行らせよう」として起こせるものではありません。広がるきっかけは、多くの場合10代の投稿です。企業が先回りして大きく宣伝すると、かえって冷めてしまうこともあります。

  • 昔の素材を出すときは、説明しすぎない。「〇年前のCMです」と大人目線で語らない
  • 10代が自由に使える余白を残す(音源を使いやすくする、など)
  • 曲や映像の権利の確認を必ず行う。使ってよい範囲は作品ごとにちがう

広がりはじめたら、10代の楽しみ方を尊重して、そっと乗るくらいがちょうどいい距離感です。

どの「昔」が刺さっているかを知る

どんな昔の曲や動画が、いま10代のあいだで流れているのか。これは大人のおすすめ欄からはなかなか見えません。TrendVoiceのプロフ帳には「最近ヘビロテの曲」「いま流行ってるもの」という項目があり、新曲とリバイバル曲がまじった10代のリアルな再生リストが集まります。企業向けプランでは、その声にAIで質問して、自社の昔の素材が入りこむ余地を探ることもできます。

#リバイバル#時間軸が溶ける#10代 音楽

公開日:2026-10-20 文:TrendVoice編集部

アルファ世代の「いまの本音」を、AIに聞いてみませんか

TrendVoiceには、10代がプロフ帳を書いて遊んだ声が届きます。企業向けプランでは、たまった声に自由に質問できます。

企業向けのご案内を見る

あわせて読みたい