地元が好きな10代|地域の魅力を中高生に伝える方法と、やりがちな失敗
地元のお店や景色、ご当地の食べ物を「自分の場所」として大切にする10代もいます。自治体や地域企業が10代に地元の魅力を伝えるときの考え方、言葉の選び方、関わってもらうときの注意点を整理します。
「若者は地元を出たがる」は本当か
地域のPRを考えるとき、「若い人は都会に出ていくもの」という前提で話が進むことがあります。もちろん進学や就職で地元を離れる10代はいます。でも、それと「地元が好きかどうか」は別の話です。
地元を出るつもりでも、地元のお店や景色、友だちと過ごした場所には愛着がある。そんな10代も少なくないと言われます。この記事では、自治体や地域の企業、観光の担当者が、10代に地元の魅力を伝えるときの考え方を整理します。
10代にとっての「地元」は生活圏
大人が考える地元の魅力は、名所や特産品、歴史などになりがちです。一方で、10代にとっての地元は、もっと身近な生活圏です。
- 学校帰りに寄るコンビニやパン屋
- 部活のあとに友だちと話す公園や駅前
- 小さいころから行っているお祭り
- 家族で行く定番のお店
- 通学路から見える景色
観光パンフレットに載る場所より、「いつもの場所」に思い入れがあることが多いのです。地元の魅力を伝えるなら、まずこの生活圏の目線に立つことが近道です。
「なつかしい」は10代にもある
2026年上半期の公開調査では、昔のものが新しく楽しまれる流れが目立ちました。サカナクションの14年前の曲「夜の踊り子」のリバイバル、平成レトロのプリクラ、たまごっちの人気などです(JC・JK流行語大賞2026上半期、マイナビ、渋谷トレンドリサーチより)。
古いもの=つまらない、とは限りません。地元の昔ながらの喫茶店、レトロな看板、昭和から続く商店街は、10代には「新しくておもしろいもの」に見えることがあります。地元の古さを隠すより、そのまま見せたほうが刺さる場合もあるでしょう。
伝え方のちがい:大人目線と10代目線
同じ地域の魅力でも、伝え方で受け取られ方が変わります。
- 大人目線:「豊かな自然と歴史あふれるまち」
- 10代目線:「部活帰りに見る夕焼けが、ちょっと自慢」
- 大人目線:「特産品の〇〇を使った名物料理」
- 10代目線:「みんな小さいころから食べてる、あの味」
- 大人目線:「若者の定住を促進します」
- 10代目線:(これは10代に向けて書かない)
最後の例のように、地域の課題をそのまま10代に向けて書くと、「残ってほしいと言われている」というプレッシャーに感じられることがあります。出ていくことも、残ることも、本人の選択として尊重する姿勢が大切です。
10代に関わってもらうときの注意
地元の高校生にPRを手伝ってもらう、というのはよくある取り組みです。そのときは次の点に気をつけます。
- 顔写真や学校名を出すかどうかは、本人と保護者に確認する
- 「地元愛」を言わせるような台本を用意しない。本人の言葉で話してもらう
- 授業や部活の負担にならない時間でお願いする
- 謝礼やお礼の扱いを、事前に学校とも相談する
- 発信したあと、困ったことがあったときの相談先を決めておく
10代の地元への気持ちは、地域にとって大切な財産です。それをPRの素材として使いすぎず、本人が「やってよかった」と思える関わり方にしましょう。
地元の魅力を見つけるための問い
地域の担当者が10代の目線を知るには、こんな問いが役に立ちます。
- 友だちが遊びに来たら、どこに連れていく?
- 地元を離れたら、なくて困りそうなものは?
- 地元のお店で、よく買うものは?
- 地元で、ちょっと自慢できることは?
答えには、観光ガイドには載っていない場所や食べ物が出てきます。それが地域の新しい魅力のタネになります。
ただし、出てきた答えを広告などで使うときは、お店の名前や場所から、答えた子の学校や家が推測されないように気をつけます。小さなまちほど、少しの情報で人がわかってしまうからです。答えはそのまま載せず、いくつかの声をまとめて紹介するのが安全です。
「いつもの場所」の声を集める
地元の魅力は、10代のふだんの暮らしの中にあります。TrendVoiceでは、10代がプロフ帳に「好きな食べ物」「最近お金を使ったもの」「いま流行ってるもの」などを書いて遊んだ声が集まり、個人がわからない形で集計されます。企業向けプラン(月3万円〜)では、たまった声にAIで質問できるので、10代が日常で何を楽しんでいるかを地域の企画に生かすヒントにしてみてください。
公開日:2026-10-31 文:TrendVoice編集部
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