10代のファンを長く続けてもらうには|「卒業」されないブランドづくりの考え方
10代のファンは、進学や好みの変化で離れていきやすいもの。10代のファンに長く続けてもらうために、学年の変化に合わせる、つながりをつくる、思い出を残すなど、ブランドが意識したい考え方を紹介します。
10代のファンは「卒業」しやすい
10代向けの商品やブランドには、ほかの年代とはちがう悩みがあります。それは、ファンが「卒業」していくことです。
中学生のときに夢中だったものを、高校生になると「子どもっぽい」と感じて離れる。進学や部活の引退をきっかけに、生活ががらっと変わる。10代は、数年のあいだに好みも行動範囲も大きく変わる年代です。
一度ファンになってもらっても、何もしなければ自然に離れていきます。この記事では、10代のファンに長く続けてもらうための考え方を整理します。お客さんが長く使い続けてくれることを、マーケティングでは「ロイヤリティ」や「LTV(お客さんが生涯にわたってもたらす価値)」と呼びます。
離れる理由を3つに分けて考える
10代のファンが離れる理由は、だいたい次の3つに分けられます。
- 成長による変化:「もう自分の年齢には合わない」と感じる
- 環境の変化:進学、引っ越し、部活の引退などで、生活の場面が変わる
- 友だち関係の変化:一緒に楽しんでいた友だちとのつながりが変わる
どの理由で離れているかによって、打つ手はちがいます。まず、自社のファンがどれに当てはまりそうかを考えてみましょう。
成長と環境の変化に合わせる(考え方1・2)
考え方1:学年が上がっても使える「次の段階」を用意する
成長で離れる場合は、ファンの成長に合わせた次の選択肢があるかがポイントです。
- よくない例:同じデザインのまま、対象年齢だけを広げる
- よい例:同じブランドの中に、少し大人っぽいラインや使い方を用意する
「卒業」ではなく「進級」できる道があると、ブランドから離れずに好みを変えていけます。
考え方2:生活の場面が変わっても出会える場所にいる
進学すると、通る道も、寄り道する店も、使うアプリも変わることがあります。中学生のときは家の近くのお店、高校生になると駅やショッピングモール、という変化はよくあります。
ファンの生活の場面が変わったときにも、自然に目に入る場所にいられるか。売り場や発信する場所を、学年ごとの行動範囲に合わせて見直してみましょう。
つながりと思い出を残す(考え方3・4)
考え方3:友だちとのつながりの中に入る
10代にとって、好きなものは友だちとの会話のネタでもあります。友だちと一緒に楽しめる、話題にできる、交換できる。そうしたブランドは、友だち関係の中で長く生き残りやすくなります。
逆に、一人で楽しむだけのブランドは、ほかに夢中になるものが出てきたときに、そっと離れられやすくなります。ファンどうしがつながれる場面があるかを考えてみてください。
考え方4:思い出として残るしかけをつくる
ずっと使い続けてもらえなくても、「あのころ好きだった」と覚えていてもらえれば、それもブランドの財産です。2026年上半期の公開調査では、たまごっちが高校生の好きなキャラクター1位でした(渋谷トレンドリサーチ・高校生男女200人・2026年6月)。平成に流行ったものが、時間をおいてもう一度好かれる例です。
- 卒業や進級の記念になる限定品
- 学年ごとに集めたくなるデザイン
- 何年たっても見返したくなる写真やカード
思い出として残るものは、時間がたってから「なつかしい」と戻ってくるきっかけになります。
長く続けてもらうためのチェック
- ファンが1つ上の学年になっても、使える商品やラインがあるか
- 進学後の行動範囲にも、売り場や発信の場所があるか
- 友だちと一緒に楽しめる・話題にできる要素があるか
- 卒業や進級のタイミングで、思い出に残るしかけがあるか
- 離れたファンが戻ってこられる入口を残しているか
注意点:つなぎとめようとしすぎない
ファンに長くいてもらいたいからといって、ポイントや特典で強くしばると、10代には重たく感じられることがあります。お金を使わせる仕組みを強くしすぎると、保護者から不安に思われることもあります。
10代は、好きなものが変わっていくのが自然な年代です。離れることを前提にしたうえで、「戻ってきたくなる場所」であり続けることを目標にするのが、無理のない考え方です。
ファンの「いま」の変化を追いかける
ファンがいつ、なぜ離れるのかは、売上の数字だけでは見えにくいものです。TrendVoiceでは、10代がプロフ帳に書いた学年や推し、いまの気分、最近お金を使ったものなどの声が集まっています。企業向けプラン(月3万円〜)では、その声にAIで質問できるので、学年による好みの変化を確かめる手がかりとして使ってみてください。
公開日:2026-10-20 文:TrendVoice編集部
TrendVoiceには、10代がプロフ帳を書いて遊んだ声が届きます。企業向けプランでは、たまった声に自由に質問できます。
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